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コーチング資格ってどれぐらい仕事につながるの?(資格とお金、団体への所属や仕事紹介について)

先日、「コーチングスクールの探し方」を投稿しましたが、
コーチングスクールって、コーチングを「教える」だけでなく、「資格を発行」する機関でもありますよね。

やっぱり、技術を身に着ける上で、資格と仕事って、気になるところだと思います。
特にコーチングを仕事にしたり、自分のキャリアに活用していきたい場合など、資格がどれだけ有効なものなのかなども、知っておきたいところですよね。

そこでこの記事では「資格」という側面について、とくに「コーチングを仕事とする上で、資格ってどういうものなに?どこかのスクールに所属しないとだめなの?」「資格を持っていたり、どこかのスクールに所属しないと仕事がもらえないの?ほかの方法はないの?」という点についてもう少し詳しく見ていきます。
あと最後に、コーチ仲間としてのお節介を1つ。

目次

①背景

まずは、背景となる情報です。
私自身と、あとは国家資格や民間資格など、様々な資格についての話について、すこし。

興味のない人、すでに知っている人は、スキップしていただければと。

西田と、資格とのからみ

私がプロコーチとして活動したはじめたのは、約15年前(2009年ごろ)。最初の、全く売れないひよっこ時代や、途中での社会人留学機関も混ざっているので、なんとか軌道に乗りはじめてからは、おおむね10年ぐらいかなと思います。
最初は、無資格でやっていました。ソリューションフォーカスという手法の第一人者のかたに弟子入りをさせていただき、個人的に学んでいたんです。活動し始めて2年ほどたったころ、言葉と思考だけのコーチングに限界を感じた時に出会ったのが、アナザーヒストリー(そのころはピークパフォーマンス)のプロコーチ養成スクール。3期生として入門し、最短でプロコーチ資格を受けました。その後も、アナザーヒストリーや平本さんからは学び続け、様々なテーマのセミナーや、上級の「アドバンスクラス」に行ったり、リソースパーソン(先輩としてクラスに関わる)や、アシスタントトレーナー(サブ講師的な役割)をさせていただいたり、エッセンシャルクラスの講師をさせていただいたこともあります。

心理支援やセラピーでいうと、この業界のいろいろと資格に関する経験はいろいろで
・厚労省認定の公認心理師資格を取得
・1日でもらえるものから、最上級まで2年かかるものまで、複数の心理学や自己啓発、セラピーなどの資格を取得
・複数の心理療法の手法の、国際資格コースの通訳
・現在もクラニオセイクラルという、心身の健康をサポートする施術の国際資格コース(4年かかる)に通い中。
・私自身も、「コーチングダイス®」というツールを開発し、資格コースを運営。(これについても、そもそも資格が必要なのか、関わる人が可能な限り幸せになるために、どういう形にするか、日々悩み、考え続けています)

取得者としても、支援者としても、資格周りでは、いろんな経験をしています。

あとは仕事柄、この業界で出会った方々の、資格話や裏話、失敗談をいろいろと耳にしますし、私も知り合いから「いま受注がいっぱいで人手が足りない!講師がたりないからぜひ来て!」と言われて有料で資格を取ったけど、実は全く仕事がないことが後で判明したり、脳科学系のセミナーの資格コースに行ったら、なんとセミナーの最後に「この資格は今後日本では使えません」と言われたり。最初の会社を辞めた後、とあるマッサージ屋さんで、たった二週間で取れる資格を一応もらって、すぐ現場に行って3か月で100人以上に施術したり。僕自身のも、この業界の仲間のも、いろいろと悲喜こもごもを見ています。

(ちなみに運転免許は持っていません。その代わり合氣道初段で、電話級アマチュア無線技士の資格持ってます笑)

この記事は、そんな私の経験と、それ以外のいろんな人たちの話を聞いてきて、私なりの理解をまとめます。

そもそも「資格」って?

資格には、大きく分けて、国家資格と民間資格、民間技能審査事業認定制度による資格があります。

国家資格にも様々な資格がありますが、大きく4つに分かれます。

①業務独占(無資格者が同じことをしたら罰せられる。医師免許や税理士など)
②名称独占(無資格者がその名称を名乗ると罰せられるが、おなじ業務は行ってもいい。社会福祉士、中小企業診断士など)
③検定資格(その人の技能の高さを示すもの。資格を持っていなくても、同じ業務を行ってもいい。FPやキャリコンなど)
④必置資格(有資格者を置かないとその企業や現場は業務をしてはいけない。宅地建物取引士 採石業務管理者など)

の種類があります。
試験を通れば受かるもの、数日間の研修が必要なもの、何年も大学に通わないといけないもの、いろいろな難易度があります。
(ちなみに私が取得した公認心理師は、この②名称独占にあたります。心理支援は、資格を持っていなくてもできるけど、資格を持っていない人が「公認心理師」と名乗ると、罰せられます。)


それ以外は、民間資格。国家に保証され、守られた資格ではありません。
(もちろん勝手に使ったら、商標の侵害などで、その団体から訴えられる可能性はあります)

コーチングスクールが発行する資格は、どれもが個人や財団、企業が発行しているもので、すべてが民間資格です(2023年現在)。
業務独占でも、名称独占でも、必置資格でもありません。
つまり法的には、誰がやっても、名乗ってもいいし、その資格者がいないと操業できない職場もないんです。


「そりゃまあそうだよね」なんですが、これは、知っておいていいことです。

(もう1つ「民間技能審査事業認定制度」という、国家資格と民間資格の中間のようなものがあり、以前は「公的資格」とよばれていたようです。産業カウンセラーなどもその一部ですが、位置づけが少し曖昧だったり、新規の認定が停止されていたりすることもあり、ここでは詳しくは議論しません。)

・・・というわけで本題!コーチングとプロコーチ資格についてです。

②コーチングを仕事にするのに、プロコーチ資格がいるのかいらないのか

コーチングスクールは、コロナ以降急増しています。
それと同時に「プロコーチ」を冠する資格を発行するコーチングスクールも増えています。
(このあたりは、この記事で、もう少し詳しく話しています)

見えないもの、数値化できないものをサービスとして提供するお仕事。原価などで計算できるものではありませんし、明確な相場があるわけでもありません。だからこそ、拠り所として資格が欲しくなるし、また資格ビジネスも隆盛するのかなぁと思います。

では、資格があれば、どれぐらい仕事ができるのか?
プロコーチ資格と、実力、そして仕事ってどんな関係にあるのか?

この3つは、それぞればらばらの要素だというのが、私の実感です。
資格と実力と、ビジネス(お金)って、それほど相関性があるわけでもないようなんです。

つまり、資格があれば、サクっと仕事になるかというと、そうではない。資格があればいいコーチングができるかというと、そうとも限らない。

だけど資格にも、一定の意味がありますし、私としては、しっかりしたスクールに通ってよかったと思っていますし、通うことをお勧めしたいです。

もう少し詳しくご説明しますね。

資格とお金について。

この15年の経験から言うと、プロコーチ資格をもっているという理由で、サクっとお仕事がもらえた経験は、ほとんどありません。
資格よりも、実力と実績、そして人とのご縁の方が、やっぱり大きいなというのが、私の実感です。

そもそも、国家資格ですら、持ってるだけで仕事になるわけじゃなかったりもします。
業務独占かつ、大学に通わないと取れない医師や薬剤師などは、少なくとも職場を選ばなければある程度安心のようですが、税理士さんなんかは、お客さんを見つけるのに苦労している方もいると聞いています。
そして、それだけでお仕事がある程度保証されている資格は、基本、かなり難しかったり希少価値のあるもの。かなりのリスクや投資を引き受けて、やっととれるからこそ、資格保有者が有利になるわけです。

その点、コーチング資格は、民間資格。
具体的な教育や資格がなくても、誰でも今この瞬間、「コーチ」と名乗れてしまうんです。
そういう意味では、信用度も「そんなもん」なんです。

悔しいことですが・・・医師免許や弁護士免許などとは、やっぱり違います。

企業の仕事をもらうときも、資格で云々された経験って、良くも悪くも記憶にありません。私はICFといった国際資格の持ち主に聞いた感じでも、私と同じような感触を持っている人が多いようです。実際に、資格をとってから、年会費がもったいないとやめてしまった人も、複数名知っていますし。
お仕事、という意味では、ちょっと箔がつくとか、仲間内では通用するとか、もしかしたら一部の堅めの仕事だと、足切されないですむとか、それぐらいかなと思っています。

(でも、「企業向けのコーチングだと、国際資格を持っていないと、そもそも選考のベースに乗れない」という話も聞いたことがります。私は企業向けのコーチングもしているうえで、あまりハンディを感じていないので・・・ホントかな?とも思うのですが・・・単に、そもそも私には話が来なくて、チャンスを逃している実感がないだけかもしれません苦笑。)

だから、もともとインフルエンサーだったとか特殊な例は別として、コーチングの実力とは別に、やっぱりマーケティングとかセールスにもある程度の力を割かないと、なかなかお客さんができないことが多いようです。

資格を持っているからと言って仕事になるわけじゃないのも事実なら、逆にしっかりコーチングを学んでいなくても、稼げてしまう可能性があるのも、皮肉な事実です。

それほどコーチングを勉強していなくても、マーケティングや営業が上手で、(少なくとも短期的には)しっかり稼げる人もいるようです。実際に、コーチングの実技はサクっと教えつつ、マーケティングとセールスを手厚く教えて、「とにかく高額商品をバンバン売ってがっぽり稼ごう!」みたいな感じのスクールの話も耳にします。ただし、そういう方々も、水面下では、手を変え品を変え、売るための努力を重ねているだろうと思います。

ちょっと興味深いことに、コーチングを短時間しか勉強していないコーチの支援を受けても、意外と成果が出ちゃったりするのも、これまた事実なんです。人間ってやっぱり、力と可能性を持ったものです。テンション高めの自己啓発おじさんというか・・・コーチングのための技術を体系的に学んでいなくても、将来や自分自身について考える時間を意図的に設け、一生懸命関わってくれる人がいだけで、前に進めるし、具体的な成果が出る場合もあるんです。
それだけでなく、高額だからこその強みもあります。大きな投資をしているからこそ、クライアントさん自身がコミットしてるし、コーチの実力を超えたところで、クライアントさん自身も「このコーチングで自分の人生変えるんだ!」という意欲も高くなり、結果めっちゃ頑張ったり、プラシボ効果というか、自己暗示の効果も高まるわけです。だから意外と成果につながることもあります(このあたり〇イザップとも似ています笑)。

いいものを作ったからと言って売れるとは限らない。
売れているからと言って、必ずしも品質がいいとは限らない。
そして、それと顧客満足はまた別のところにあったりもする。

というのは、コーチングの世界でも変わらないようですね。

私としては、同じ売るなら、より良いものを売りたい。そのためにしっかりと技術を磨きつづけ、経験を積み重ねたいと思っています。そのほうが、自分もクライアントさんも、長期的には幸せになっていけるんじゃないかなぁと思っているからです。


資格と、支援の実力について。

色々興味をもって、心理療法やその他セラピー、あとはある程度定評のあるコーチングのスクールを調べたことがありました。その結果、人の人生に関わるプロ資格はだいたい、最低限の条件として、大体、以下のような条件を課しているなという印象を持っています。

・120時間以上の講座を修了している
・100時間(100人)以上へのコーチングを行っている
・先輩プロコーチ(メンターコーチ)との定期的なセッション
これに加え、さらなる上級コースを設けているところもあります。

で、これだけ学んだら、だれでもとてもいいコーチングができるかというと、そうとも限らないようです。やっぱり、さらなる実戦経験と日々の創意工夫がないと、身にならないものなんだろうなぁと。

私は、いまも「クラニオセイクラル」という手技療法の4年間の国際資格を取ろうと頑張っているところですが、資格って「最低限知っておくべきことを、体系的に学びました」を担保するものでしかない、と割り切っています。実力と、積み重ねた経験に勝るものはありません。
それでもやっぱり、私はプロコーチ養成スクールに行ってよかったと思っているし、しっかりした養成スクールに行くことをお勧めしています。次はその理由をまとめますね。

コーチングスクールに行く意味、資格の意味は?

私は何のために、わざわざしっかりコーチングを学び、今も学び続けているのかと言えば、私はコーチングを、「人の人生に関わる重大な仕事」だと思ってるから。そして、体系的に学んでおかないと、その役割を果たせなかったり、「事故」を起こす可能性があると思っているからです。

コーチは、人生やキャリアに関わる仕事です。時には、転職や起業、結婚や離婚、果ては「ガンになった」「子どもがいじめにあった」など、人生のとても大切な局面に関わることもあります。その時、クライアントさんが何を考え、何を決めるか、どんな気持ちで臨み、どれぐらい自分の力を発揮できるかによって、その人の人生や、社員さんや家族に、大きな影響を与えることもあります。とくに「プロ」を名乗り、有料でコーチングをするということは、相手の大きな信頼を受け取るということです。だからこそ、責任も重くなります。

例えばキャリアに悩むクライアントさんがいたとします。そしてコーチがテンション高く、「人生は自由ですっ!」って煽った結果、その方が、状況やリスクをしっかり考えずに、会社を辞めてしまったとします。あとから、その決断が失敗だったということが分かっても・・・コーチはそのクライアントさんを、元の会社に戻してあげることはできません。ある意味でコーチは、責任をとることすらできない立場にいるんです。
「クライアントさんの人生はクライアントさん自身の物」というのは大切な真実ですが・・・コーチの役割の1つは、クライアントさんがとりうる、より良い意思決定を支援することです。コーチの自己満足で、クライアントさんが本来できたかもしれない意思決定をねじ曲げてしまったとしたら・・・そんな時に「クライアントさんの人生だから」と言ってしまうのは、単なる逃げだと私は思っています。曲がりなりにもプロと名乗るのであれば、その意思決定のプロセスをできうる限り最高のものにすること、そのために自己研鑽を続けることについては、しっかりと責任を持ちたいと、自戒を込めて思います。

また、経営者など、頑張る人、成果を出す人ほど、実はトラウマなど心理的な苦しさをもっている(むしろ、だからこそここまで頑張っている)人も多いなと感じています。だからヘタな手を打って、トラウマを刺激してしまったりなどしたら、取り返しのつかないことになるかもしれない。逆にどんどん頑張らせてしまって、クライアントさんがどこかで倒れてしまうかもしれない。さらに言うと、こちらの心理的な問題が投影されてしまって、クライアントさんを混乱させてしまうこともあり得る。コーチングのセッションは、ほとんど1対1で行われます。クライアントさんが混乱したとして、その時に誰かが介入してくれるわけではありません。

自分一人で、すべての心理的な問題を解決する必要はないと思うけど、事故らないための基礎知識や、必要に応じてほかの専門家に紹介するなど、きちんと対処するすべを持っておきたいと思ったんです。単にめちゃくちゃ頑張らせて、数字上げさせるだけなら、別にガンガン煽るだけでも成果は出たりする。でも、私は、人の人生に深くかかわりたいし、プロとしての仕事にはきちんと責任を取りたいと思っています。

つまり、僕は、好き勝手に人の人生に関わる勇気はなかったんです。(ちょっと臆病なタイプなのかもしれませんね)だから、網羅的な知識を知っておくのは大切だと思って、しっかり学んだし、その後も学び続けています。心理療法など、周辺領域の専門家との交流も、できる限り行っています。

アマチュアとプロ。仮に同じことをしていても、肩書が違うだけで、相手に与えるインパクトが違います。
別に、資格を取らないと仕事しちゃいけないというのではいのですが・・・とにかく、プロとして人に人生に関わるなら、体系的に学んでほしいんです。お気に入りの動画を見て、1日、2日のセミナーへの参加を繰り返しても、学びや知識が断片的になりかねません。どこかに、見落としていることがあるかもしれません。また、仲間同士の切磋琢磨も、自分自身を高めたり、うっかり落とし穴にはまってしまうことを防いでくれます。

資格よりも、実力や実績がものをいう世界です。そして、事故らず安定的に成果を出し、良い実績を積み重ねるために(そしてコーチング事故の被害者を出さないためにも)網羅的、体系的に理論と技術を学んでほしいんです。(大体「成長」を標榜するコーチが、自分の成長をないがしろにしていたら、看板に偽りありですし)。

※一方で、教室ではなかなか学べないものもあります。それが、想定外の事態に柔軟に対応するための「即興力(インプロ力)」です。人生って、正解のない旅路です。そして、その人生に向き合うコーチングには、本来正解もマニュアルもありません。クライアントさんとの関係性のなかで、出てきたことに柔軟に対応し、同時に、より探求を深め、一歩前に進み続けるための場を保持し続ける力が必要です。
ところが教室では、この「想定外」を起こすことがとても難しいんです。そしてコーチングの最も大切な土台である即興力、「瞬間瞬間にダンスする力」を養えないままに、スクールを卒業してしまう方も多くいます。
その現状を打破するために開発されたのが、コーチング・ダイス®です。本質的なコーチング能力を、楽しみながら養うためのツールです。まずはコーチングを学んでみたい人、プロとして活動するうえで、自分自身の底力を見つめなおしたい方は、ぜひこちらをご覧ください。

③資格とったとして、その団体に、「所属/登録」し続ける必要があるのかどうなのか】

コーチングスクールによっては、資格取得後も、卒業生を自分の団体に所属させ、そのための会費をとるところもあります。

また、コーチング資格には、「資格を授与した後は、それ以上の追加料金を取らない」スクールもあれば、「毎年、資格を更新し続ける必要があるタイプのスクールもあります。

資格の更新には、お金を払えばいいところもあれば、一定の学びを続けることが条件になっているところもあります。
これは、まぁ、賛否両論ですよね。維持費が高すぎてキツイという話も聞くし、能力は、学ばないナマるもの。下手をするといつの間にか単なる我流になってしまいます。しっかり学ぶことを要求しつづけた方が、その資格の信頼が高まるという要素もあります。


団体に所属しつづけるメリット

また、団体に所属ことで、最新のノウハウをシェアしてもらえたり、お互いに支援し合える仲間に出会えたりもしますね。もしかしたら後輩からコーチングを依頼されるかもしれません。それに、あなたの学んだコーチングをプロモートし後押しするためにも、その会社は宣伝費をかけていたりもする。そうなると、費用対効果として、どれぐらい妥当性が高いかという選択になってくるだろうと思います。

僕のが卒業したスクールは、場合は、一度取得すればそれで完了というものでした。(もちろん更なる学びを推奨してはいます)
でも、ICFなどのしっかりした国際資格であれば、維持費がかかるにしても、持ってていいだろうなと思います。やっぱりしっかりした資格ですから。僕自身も、なんかのタイミングがあったらMBCCあたりで取得するのもありだなって思っています。今のところなくて困った実感はないし、あとはなかなか時間が作れずにずっと後回しですが。

団体に所属をすれば、その団体が受注した仕事をまわしてもらえるのか?

登録するだけで、ホントに仕事を回してもらえるのかどうかは、しっかり確認したほうがいいかと思います。

この業界、「資格あげるよ!そして仕事も回すよ!」というけれど、仕事がもらえないなんて話はよく聞きます(僕も20代のころ、涙をのみました笑)。結局、コーチングを提供することを仕事にしようと思ったけど、なかなかお客さんが見つけられなくて、だからスクールを開いてお金を稼いでいるという場合もあるようです。このあたりは、コーチング業界に関わらず、資格ビジネスの闇ですね。

実際に生徒に仕事を回しているスクールも、つい信頼できる人や付き合いの長い人に仕事は流れがちなこともあると思います。スクール自身の信頼のためにも、適当にコーチを紹介するわけにもいかないですから、これも仕方のないことです。その団体から仕事をまわしてほしいなら、資格を取るだけでは足りないこともあるでしょう。実力アップだけでなく、その団体の中で自分に目を止めてもらい、実績を作り、信頼を勝ち取っていくための営業努力も必要になるかもしれません。

ただ、一部のすごくビジネスが上手なコーチング会社で、実際に仕事が来すぎて、人手が足りないなんて状態のところがあるという話も聞きます。むしろあまり選考せずにどんどんスタッフを増やして、まずは案件をまわしつつ、スタッフを育成するっていうスタイルをとっているところもあるようですね。そういうところなら、結構早めに現場に行ける可能性もあるのかもしれませんが・・・ぜひ自分なりにしっかり情報を集め、見極めてみてください。

③団体に所属して仕事を回してもらう以外に、仕事をする方法ないのか

これ、普通にあると思います。

というか、独断と偏見ですが、(先ほど説明したように)ほとんどの場合、むしろスクールだけに頼っているだけでは、ビジネスとしては成り立ちにくいというのが、私の印象です。

私がコーチとして活動をし始めたのは、SNSなんかほとんどない時でした。
そんな中で、どうやってクライアントさんを増やしていたかというと、手当たり次第に声をかけて無料でやらせてもらって(資格取得のためにも、100人にコーチングをする必要がありました)、反応のいい人に別の人を紹介してもらって・・・そしてそんな人たちの中から、少しずつ依頼を受けて・・・という形で、泥臭い形で始めました。
また今も、コーチ紹介サービスに登録したりもしています。

私はメルマガとか、SNSはそれほど上手に使えていませんが、それでもやっぱり、そういう経路が、顧客開拓のためにはすごくパワフルな手法になるなっていうのは、実感しています。

また、独立したいコーチを支援するために、マーケティングやセールスを教えている人もいっぱい見つかります。コーチングを志して、何かしらの理由で、自分自身のコーチとしてのビジネス構築は手放し、ビジネスで苦労しているコーチに「稼がせるよ!」とマーケティングをかけている人も見かけます。正直、そういう苦労しているコーチを食い物にしているように見えることもあります。

自身はコーチではないけれど、コーチを専門的に支援しているという方々の中には、「自分の生徒は3か月で月商100万超えた!」みたいな事例をいろいろと出しているし、その中の一部は事実なんだろうと思います。ただ、ラーメン屋を成功させるマーケッターが、必ずしもラーメン屋出身ではないことだってあります。だから、やっぱりコーチングという「技術」と、ビジネス構築は別のもの。きちんと、自身も成果を出している人、最後まで責任を持ってくれる人を見極めて、がっつり相談しつつきちんと頑張れば、成果が出る確率は高まるんだろうと思います。(コーチングオタクの私としては、「せっかく見てもらうなら、本人もコーチとしてすごく幸せな経験をしていて、だからこそもっとみんなを支援したい」っていう人に見てもらいたいなと思ったりはしますが・・・)

ただし根本的な点として、この仕事、人とのつながりが全てだったりします。専門技術やフリーランスの世界って、どんな業界でもそういうところがあると思いますが・・・「関わり」そのものが商品であるコーチングは、飲みニケーションでも、SNSでも、広く浅くでも、深く狭くでも・・・人と関わること、つながることを、そもそも楽しめること、面倒だと思わないでやれる人の方が、長期的にみて幸せだし、仕事もうまくいきやすいでしょう。

※私自身は、そもそもこの業界でのキャリアが長いとか、20代の全然稼げなくても生きてける状態で独立したとか、いろいろと特殊な事情が重なっているので、マーケティング上手で成功したクチではなく・・・というか恥ずかしながら、マーケティングとかいまだに苦手感があって・・・そこでいうと、腕一本で生き残ってきたし、そこにかなりのラッキーもあったという感覚があります。だから私自身は、マーケティングコンサルを名乗る気はありません。クライアントさんの必要に応じて、コーチとしてお手伝いできる範囲で、コーチとして引き出したり、かなり基礎的な知識をシェアするのみです。

④最後に:コーチとしての「お節介」

ここまで読んできてみて、いかがでしょうか?

この記事を読んでくれているあなたに、1つだけ、お節介をさせてください。
(そしてコーチのお節介は、ほとんどの場合、「問い」の形をとります。)

あなたが「資格」を取りたいのは、どうしてなんでしょうか?
資格を取った後、どんな未来を作りたいんでしょうか?
そもそも、どうしてコーチングに惹かれたんですか?
コーチになって、何がしたいんですか?どんなコーチになりたいんですか?
どんな人たちと、どんな挑戦をしたいんでしょうか?

そして、その先は?

改めて、自分に問いかけてみてほしいんです。

あなたはコーチである以前に、あなたの人生を生きる、一人の人間です。
あなた自身が、あなたの人生をより良くいきようと挑戦し、時に苦闘する過程のひとつとして、コーチングがある状態なんだろうと思います。

そもそもの、その動機を、改めて考えてみてほしいんです。

ただ単に、会社で働きたくないなら、投資やSNSマネージャーのほうがサクッと稼げるかもしれません。人や人生と関わる仕事であれば、営業も、マッサージ師も、介護やファイナンシャルプランナーの方があなたに会っているかもしれません。社会を変えたいのなら、社会起業の方が手っ取り早いかもしれません。

それでも、どうしてコーチングなんでしょうか?

「自分が愛する種目のアスリートを支援したい」「今はまだない何かを作り出して、社会にインパクトを与えたい」「あの時人の役に立てなかった悔しさを乗り越えたい」「むしろ自分自身の人生を何とかしたくってコーチングに出会った」「とにかくもう会社にいるのにうんざりした。コーチングだったら自分にもできるかなと」「自分は人が好きだし、けっこう寂しがり屋。誰かに関わることを仕事にしたかった」「何をしても下手だった自分が、はじめて、”これだけは人並みにできるかもしれない”と思ったことだった」「あの時の苦しかった自分と、同じ思いをしている人を支えたい」「シンプルに好きなの!理由とかわからん!」

正解のない人生。一人として同じ人の以内この世界。
コーチングじゃなきゃいけない理由も、コーチングでやりたいことも、人それぞれです。
同じコーチングでも目指す先も、歩む道もバラバラです。
そしてそれが、コーチングのおもしろさでもあります。

ぜひいちど、そこを突き詰めて考えてみてください。
そうすれば、具体的にどうするかは、意外と簡単に見つかるかもしれませんよ?

そしてもしよかったら、そんな時こそ、コーチに相談してみてください。
しっかりした実力を持ったプロに相談してみたら、あっと驚く、素敵な答えが見つかるかもしれないし、無駄な努力をせずに、リスク回避できるかもしれませんから!

それに、「本当にコーチングっていいもの?役に立つの?」ってことを、あなた自身の身体で見極める、絶好のチャンスですから!!

いつかあなたと、コーチ仲間として出会えるとしても、そうでないとしても、
あなたの人生を、応援しています。

「仕事も会社も好きなはずなのに、最近モヤモヤする…なぜ?」
「これまでの戦い方が、賞味期限を迎えた気がする」
「一度立ち止まって、人生を見直すタイミングだと思う」
「現状を打破して、笑顔で前に進みたい!」

そんな時、あなたは転換期(トランジション)にいるかもしれません。
これまでの生き方や働き方が、根本的に変わろうとする瞬間。新しいステージに向けて、一度立ち止まって模索し、次の道を作り上げていく時期です。

「転換期(トランジション)をつくる」西田博明のコーチングは、こちら

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