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20歳のバレンタイン前夜。今も僕を、プロとして支えてくれる想い出。

「ひろさん、いきなりで申し訳ないんですが、
緊急で、セッションお願いできますか?
 
 例の上司に、診療内科に行ってることがばれて、
 いろいろ言ってきたんで、
 ”もうやめます”って、
 言っちゃったんですよ~(笑)」

お昼ご飯を食べ終えてくつろいでたら、

クライアントさんからの突然のメール。
うひゃぁ、突然の展開。

僕はかれこれ12年、
コーチングというものを仕事にしている。

表向きには、
「人の人生に向き合い、伴走し、
 ともに未来を作る仕事」

なんて言ってるけど、
心の中では

「一緒に、右往左往する専門家」

なんて思ってる。

メッセージをくれたのは、
都心部のIT系で仕事をしている、
アラフォーの女性。

肌がくすんで、背中を丸めて・・・

これまでリーダーとしてやってきたのに、
新しく入社してきたマネージャーと相性が悪く、
目の敵にされている。
経営陣も見て見ぬふり。


これまでも話を聴いてきたけど、
公表しちゃったら、
パワハラとして炎上させちゃえそうな状況。

もう、辞めてしまいたいとも思うけれど、
でも今の会社も本当は好きだし、
手がけているプロジェクトも途中だし、
転職も年齢的に難しそうだしと、


悩みは尽きない。

体も心も弱ってるし、

「しばらく転職とかは考えずに、
 部署転換をお願いしようかな」


なんて話になった矢先の、急展開。

ほんとは、
かなり動揺してるだろうなぁ。

かなりデリケートな局面だなぁ。
展開によってはリスクも高い。

こっちも心がザワザワ、ソワソワする。

なんてお返事しようか・・・

クライアントさんの人生に、
伴奏するということの、
重みをぐっと感じるとき・・・

そんな時に思い出すのが、

僕が大学1年生の時、
同じ大学の女子と過ごした、
バレンタイン前夜だ。


そのころ僕は、
身を焦がすような、恋をしていた。

同じ部活で出会った、1つ上の先輩。

一緒に練習をし、
一緒にランチをし、

映画の「アマデウス」を観に行って、
いつの間にか、
彼女のことで頭がいっぱいになった。


こういう話に不慣れだった僕は、
1か月ほど悩んで、
おもいっきりためらいながらも・・・

秋の日のランチタイム。
キャンパスの芝生の上で、
一緒にお弁当を食べながら、
気持ちを打ち明けた。

彼女の返事は、

「うん、ありがとう。
 でも、ひろが私のことを好きなほど、
 私はひろのことが好きじゃないと思。
 それでもよければ」

ちょっと寂しかったけど、
それでもうれしかった。


全力で彼女を大切にして、
いつか彼女を本気で振り向かせる!
そう思った。


どれだけ彼女がつれないときも、
彼女の笑顔を見るためなら、
なんだってできた。

自分がどれだけキツい時も、
彼女を支えるためなら、
自分のことなんて後回しにできた。

優しく小首をかしげるしぐさも、
きれいな澄んだ目も、
目じりを下げて「えへへ~」と笑う姿も、
いとおしくて、たまらなかった。


こんな僕が・・・・

周りの人間を見下し、
他人への猜疑心や、
怒りでいっぱい僕が、

自分以外の人のことを、
自分自身よりも大切に思えることに、
酔いしれた。


「これが愛というものなのか」

と思った。

彼女について話しまくり、
「愛がいそいでる(爆風スランプ)」
なんてクサい歌を歌う僕を、

クラスメイト達は、
苦笑いしながらも、
暖かく見守ってくれた。

そして、2月。

僕はクラスメイトの1人に、
電話を掛けた

「もしもし、翔子?
 あのさぁ、2月13日の夜って、あいてへん?
 ええと、なんかお菓子を作りたいんやけど・・・」


「え~なになに、どうしたの~?
 また彼女~?(笑)」


スタイリッシュな中に、
ユルさも取り入れたファッション。

僕らの仲間内でも一番おしゃれな友人。

政治学を学び、ビジネスを学び、
文化祭のときみんなでカフェをやったときは、
企画とデザインのほとんどが翔子によるものだった。

(翔子はその後、
 マーケティングの専門家として独立、
 地方活性化の世界などで活躍。
 今では、地域の産品を使った、
 SWITCH MEという、
 安眠アロマミストを自社開発したりもして
 いつも僕に刺激をくれる
 https://switch-me.net/


僕みたいなぼんくらにとっては、
「女性のことで分かんないことがあったら、
 とりあえず翔子に訊いてみよう」
 なんて頼りにする相手だった。


実際クリスマス前は、
恋人へのクリスマスプレゼントを探して、
まる一日、東京を歩き回るのに、
付き合ってもらっていた。

「あ、うん、まぁそういうこと。」


一人暮らし。
大体自炊だけど、
お菓子なんて、作ったことない。
計量カップすらもってない。


でもやっぱり手作りでプレゼントしたい!
「あはは~、ひろがんばるね~!」


いかにも前のめりな僕の相談を、
たぶん、少しあきれながらも、

キッチンを貸してくれることになった。

バレンタインの前夜、
翔子のキッチンを借りて、

お菓子作りをさせてもらうこととなった。


「ひろはどんなのが作りたいの~?」

「うーん、正直まったくわからへん。
 チョコづくりって難しいん?」

「溶かして、
 形を作るだけなら簡単だけどさぁ、
 どうせ、
 もちょっと手の込んだことしたいんでしょ~?」

「うん、まぁ確かにそうやなぁ・・・」


お菓子の本を引っ張り出して、
ああでもないこうでもないと、
いろいろ話し合う。


「あっ、ひろ、こんなのあるよ!」

「へぇぇ、マヨネーズでケーキ作れるんや!
 マヨネーズは卵と油だから、
 簡単に使えると・・・」

「これおもしろそうだね~!
 バターもいらないってさ~!」

「なんか結構ええ感じになりそうやん!
 小麦粉もマヨネーズももってるし!
 あとはココアとべーキングパウダーかぁ」」

「ベーキングパウダーは
 私のつかっていいよ~! 
 ココアは自分で準備して~!」


こうして、はじまった、僕のお菓子作り。

「翔子さえいれば安心!」

と思っていたけど、
意外と苦戦することになる。

計量がむつかしかったり、
泡立てが大変だったり・・・
はじめての作業だから、


緊張もするし、勝手がつかめない。

翔子は、
「だってこれひろのケーキでしょ」

なんて感じで、
ほとんど見てるだけ。

それでも、
泡立ち具合を一緒に確かめてくれたり、


いい感じに焼けてきたねぇとはしゃいでくれたり、

なによりも、
そうやって見守ってくれてるだけでも、

ずいぶん安心する。

それに翔子のキッチンの道具たちは、
丁寧に選ばれたいいもので、

とても使いやすかった。


コーチとして活動していると、
ついつい肩に力が入るときがある。

「この問題は何と解決しないと」
「僕が何とかしないと!」
「クライアントさんをあっと言わせて、
 自分のすごさを見てもらいたい!」

なんて思うときがある。


ちょっと大きな仕事につながりそうだったり、
相手がむつかしそうな状況に直面しているときは、
なおさらそうなりやすい。

でも……

僕がそうやって、
「クライアントさんを何とかしよう!」

と思った時ほど、
コーチングがうまくいかなくなる。

場合によったら、
クライアントさんとの信頼関係が、
壊れてしまうこともある。


「この人を何とかしよう」

と思っているとき、
その考えの裏にある、

「この人は自力では解決できない」
「この人を変えないと」

という僕の思い込みが、
相手にも透けて見えてしまう。

「あんたじゃケーキ作れないでしょ?
 私がやってあげるから任せて!」

なんて言われたら、
僕は胸を張って、
恋人にケーキを渡せない。


恋人のためにケーキを作るという、
大変だけど幸せな時間を、
横取りされて、うれしいはずがない。

あのバレンタイン前夜、
翔子がやってくれたことは、
僕の挑戦を笑わなかったこと。


一緒に「どうしよっか」って、
考えてくれたこと。

ケーキ作りのための、
場所と道具を使わせてくれたこと。

そして、

応援しながら、見守ってくれたこと。


バレンタイン当日。

僕のうちに来た恋人の前に、
ケーキを出した。


目を丸くする彼女。
嬉しそうに、包んだアルミホイルを開いて、

「おいし~!」と目を細めて食べる。


世界中のどんな宝物よりも、
この瞬間を切り取って、
いつまでも持っていたいと思える瞬間。

おいしくできてよかった。
この笑顔が見れてよかった。

だけど……もし仮に、


このケーキ作りで失敗したとしても、
やっぱり僕は、

胸を張っていたと思う。
この大切なバレンタインのために、

やったことのないことをやってみたこと、
そのために友人の力まで借りたこと、

真心と時間を、そのケーキに注ぎ込んだこと。


「ちょっと焦げちゃったから、
 香ばしいかもしれないけど……」

なんてごまかしながらも、
僕の心は、
誇りでいっぱいだっただろうと思う。


それが僕の自信となって、
また次の一歩を踏み出させてくれるだろう。

だから、コーチとして迷ったとき、
僕はキッチンを思い出す。


翔子のうちの、暖かくて、清潔で、
使いやすい道具のそろったキッチンを。

そして、
僕の挑戦を横取りせずに、
ただにニコニコと応援してくれた友の存在を。

やったことがないことも、

どうしていいか、
わからないことも、

見守ってくれる人がいて、

良質な道具と、
適切な作業スペースさえあれば、


自分の力で、
なんとかできるんだってことを。


僕の仕事は、
相手のためにケーキを作ることじゃない。
僕のおすすめのケーキを、
作らせることでもない。


どうしてケーキを作りたいのか、
そのケーキを通してどんな時間を過ごしたいのか
そのためにどんなケーキが作れるのか

問いかけて、
一緒に方法を考えて、

ともに、挑戦の苦難と喜びを楽しむこと。

そして、
応援の気持ちを伝え続けることなんだってことを。


・・・さて、この緊急の相談には、
どう対応しようか。

いったん、
スマフォを机に置いて、
1つ、深呼吸をする。


あのキッチンを思い出す。
今日も、今この瞬間も、

僕がクライアントさんにとって、
快適なキッチンでいられますように

目をひらいて、
もう一度、スマフォを手に取る。

お返事を打つ。

「〇〇さんが今、
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