「水が半分しかない!」といっているクライアントさんがいたら、
コーチは、どのようにサポートすればいいんだろうか。
コーチングを学ぶとき「導く」という言葉を時々耳にしますが、
私にとっては、コーチの仕事って
クライアントさんを導くことじゃないように思います。
コーチングが提供するのは、
導き(方向性を示し、上手に連れて行く)ことではなく、
「場」を提供すること、かも知れません。
あるいは、関係性を提供すること。
もっといえば、
超快適な、作業スペースみたいな存在でいること。
クライアントさんが、
力や知恵や勇気や希望に満ちた物語を、
自分で「ひとりでに、つむいでしまう」場を提供すること、
コーチとして、
いろんな人の、いろんな話題に寄り添うわけだけど、
「この人がいれば解決できる」でもなく、
「この人のおかげで成長できた」でもなく、
クライアントさんが主役。
クライアントさん自身が「俺ってすごいかも」と思っちゃう相手。
あえて言うなら、
クライアントさんにとって、
その中で、
「この人と話しているときは、
なぜか自分、悪くないな、いけてるかも、
っていう話になっちゃうんだよなぁ」
っていう相手でいることなんじゃないかと思います。
たとえば、500ミリのコップに、250ミリの水が入ってるときに、
「コップに水が、半分しかない!」といっている、
クライアントさんについて。
クライアントさんが焦ったり、絶望したりしてると、
確かに、前に進むのは難しいかもしれない。
多分、クライアントさんは、そこを何とかしたいから、
コーチをたずねてくれている。
だから、何らかの形で役立ちたい。
一緒に、別の景色を見たい。
そんなとき、コーチは何を目指すか。
よく、見かけるのは、
「“半分もなくなってる!”ではなく、“半分も残ってる!”と思いましょう!」
みたいなアプローチ。いわゆるポジティブシンキング。
確かに、「こんな考え方すると元気出るかも?」というアイディアとしては、
悪くないんだけれども・・・
人によっては、無理があるかもしれないし
状況によっては、そんなのナンセンスだったりもするし、
この味方自体が、視野が狭いこともある。
コンビニと一緒で、
おおむね、大体の状況では便利かもしれないけど、
自分にぴったりな、
ベストなソリューションではないかもしれない。
コーチとしては、
一緒に、いろいろと、探求して、
ベストな物語をみつけるサポートをしたい。
コーチのやることは、コーチ好みの物語に、
クライアントさんを押し込めることじゃない。
「ほら、半分も残ってるでしょ!」って説得するわけでもない。
狙いどおり「半分も残ってますね」とクライアントが“気づく”方向に、
示唆したり、導いたり、指し示したり、誘導することもない。
僕たちがやりたいことは、
クライアントさんが、自分の物語をつむぐ、
場を提供することだから。
「ほへぇ、そうですか、コップに水・・・」
なんて話を聞きながら、
結果としてクライアントさんが、いつの間にやら・・・
どんな物語かはわからないけど、
「半分しかない中で、よく頑張ってきたなぁ。」とか、
「考えたら、みんなが、半分までは必ず注いでくれるんだよな」とか、
「・・・と思ったら隣にコップがもう一個あった」とか、
「いや、半分しか残ってないけど、そのサバイバル感ちょっとわくわくするんです」とか
「もうね、マジ最悪。俺が半分なんかで満足してちゃダメだ。」
「あ、水を捨てたら、容器に使えますね。何を入れよう?」
「あ、濃縮ジュース入れたら、水と混ざってちょうどピッタリだ」
「のどカラカラ!これじゃ足りないから彼におねだりする♪」
「コップじゃダメじゃん、ほしいのはタンブラーじゃん。スタバで春の新作買ってこよう!」
「水は捨てて、ガラスは溶かしてペンダントにしよう」
「そもそもなんで水の話なんだっけ。おれ腹ペコなんだからカツどんじゃん」
とか。
どんな形かはわかんないけど、
そしてその形は、一人ひとりぜんぜん違うから、
コーチも予想はできないわけだけど、
とにかく、クライアントさんが、いつの間にか
自分の、力や、知恵や、希みや、愛につながって、
クライアントさんが、自分自身を勇気付けてしまう話を、
「ぽろっと」してしまう。
そしてその、自分自身が「ぽろっと」話したことを自分の耳で聞いて、
「あ、まじでそうかも。。。だってほら・・・」
って思い始めて、
実際になんか行動とか工夫をしてみたら、
「あ、ほんとにそうだった、じゃあこれからは?」
ってなってくる。
そういう、場・関係性・コミュニケーションの土台
空気感、
みたいなものを、提供する仕事なんじゃないかなぁ。
(テンプレ通りのポジティブシンキングも、時と場合よっては、練習や刺激として役立つと思うけど)
「なんか最近、人生も世界も、いい感じに見えてるなぁ」
「あの人と話してると、なんかついつい、そうなるなぁ」
みたいな。
そのために、
・「その中で、できてるところは?」って聞いてみたり
(↑何が問題か、ではなく)
・感心してみたり
(↑あなたはすごいんです!って説得するんじゃなく)
・「そうかぁ、最終的にどうなればいいんだろうなぁ」なんて上を見てつぶやいてみたり。
(↑未来に希望はあります!って叫ぶんじゃなく)
・探求とコミュニケーションのツールとしてタイムラインやポジションチェンジをしてみたり
(↑説得や教育・・・誘導尋問のツールとしてでなく)
・クライアントさんが何かに気付いたら、どんなことであれ、とりあえずお祝いしてみたり。
(↑何に気付くべきかを決めるのではなく)
まあ、いろいろと、手を変え品を変えやってみる。
コーチは、
クライアントさんの物語を、
書き換えたり編集するのが仕事なんじゃなくって、
クライアントさん自身が、
自分で、自分自身に力を与える物語をつむぎ、
書き換え、編集する、
そのための、快適で効率的な作業スペースでいること、
なんじゃないかなぁ。
そのために、コーチが、
より、自分自身の自己一致や自己受容をすすめたり、
自分自身の人生のアップダウンや季節を味わったり、
アンテナである、自分の身体の感覚を耕したり研ぎ澄ましたり、
より寛い世界観・人間観を持つ努力を、
したりするんだろうなぁ
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そのためには、コーチが「答え」を知らない話題や、予想外の展開に直面しても、焦らず臨機応変に、クライントさんの探求に寄り添う力が必要です。
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