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15年間、腕時計をもたなかった僕が、30秒に1度は腕時計を見るようになった理由

そう、あれが別れの瞬間だった。あの時も、僕は歩いていた。

「うわっ!」

凍りついた地面で、足が滑った。


社会人2年目、23歳のころ。
都心部から、東西線で20分。
南行徳駅の高架下。
職場に向かって歩く途中だった。

考え事をしながら、
無意識に腕時計をいじっていた。

突然、足がすべった.
後ろに体がのけぞる。

あわてて、右足を後ろに引く。
両手をふり上げてバランスをとる。

……しゃがみこむ形で態勢を持ち直して、
何とか倒れずにすんだ。


でも……
時計のベルトが、
はじけ飛んでしまった。

ちょうどベルトに
指をひっかけたタイミングで足をすべらせて、
驚いたはずみに、
引きちぎってしまったらしい。


スイスミリタリーの時計。
社会人になって、
はじめて買った腕時計だった。

シルバーに、すこし桃色の入った、
お気に入りの時計。

結局うまく修理できず、
かといって他にいい時計にであわなくて、


未練たらしく、
引き出しの奥にしまったままになった。

でも、腕時計なしで過ごしてみたら、
問題なかった。


むしろ、けっこう快適だった。

携帯電話に時計はついてる。

それに、誰かと打ち合わせ中、
時間が気になったら、
相手の腕時計をちらっとみるという技を覚えてしまった。

慣れてしまったら、
左手だけに重い機械がついてる感じが、
心地悪くなってしまった。

腕時計なんかなくても、
生活にも仕事にも困らない。

腕時計なんかないほうが、
なんだか自由な感じがした。

そしてそのまま、腕時計を買わずに、
社会人として15年過ごしてしまった。

そんな僕が、2年前、
いきなり腕時計を2つ買った。
いまは、寝るときもつけている。

そしてそんな生活を、
楽しんでいる。


2年前の夏、
僕は仕事とストレスに、
結構やられていた。

すごく楽しみにしていたプロジェクトが始まったんだけど、思った以上に理不尽な条件に追い込まれた。その仕事量のせいで、休みなく動き続けるハメになった。ほかの仕事の質を落とすわけにもいかないから、体力を削って、頑張るしかない。

さらに、急に引越すことになってしまった。準備もなしで引っ越したから、カーテンも冷蔵庫もない生活が、2週間以上つづいた。
それもあの、殺人的な猛暑。

負担のせいで、
ついに肋間神経痛にまでなった。
一歩歩くごとに上半身に痛みが走る。

カラダはボロボロ。
好きでやってる仕事も、ついついグチをいってしまう。

一番きつかったのが、
よく眠れないことだった。

最初は、カーテンなしの窓の、
朝日の激しさだった。

5時とか、
日の出の時間に目が覚めちゃう。

カーテンを付けてからも、
クセになっちゃったのか、
ストレスか、
やっぱり夜中や早朝に目が覚める。


目ざめが悪くて、朝はだらだら過ごす。
気が付いたら昼がきて、
眠いもんだから昼食後に仮眠をとる。

気が付いたら夕方。

フリーランスで仕事をしていると、
出勤時間も退勤時間もない。
見張ってくれる上司もいなければ、
励ましてくれる同僚もいない。

ついつい、生活リズムが緩みやすくなる。

「やばい、今日、なんにもできてないじゃん」

日が暮れていくのを窓から見て、焦る。
なまけた1日を取り戻そうと、
遅くまで仕事する。

24時ごろに疲れ切って、お風呂に入る。

お風呂から上がったら、
もう仕事をするエネルギーはないんだけど……

なんだか、
意味のない1日をすごしたような気持になって、
むなしくなる。

そんな気持ちを埋めようと、
ネットサーフィンをする。

けっきょく、寝るのがさらに遅くなる。なのに、早く目覚めて、ダルくて布団から抜け出せなくて、10時ごろになって、ゴソゴソと起きだす。ぼおっとしながら朝ごはんを食べて、お昼ご飯を食べたら、もう12時が近づいている……

あの頃の僕の顔は、くすんでいたと思う。


パーソナルトレーナーをしている友人が、
僕のことを心配してくれて、
色々と工夫してくれた。

サプリとか、マッサージとか、
デトックスとか、
カラダを整えるための運動とか、
いろんなことを教えてくれた。

そんな彼の最終兵器が、
時計だった。


「ひろさん、ちょっとこれ、
 胸にまいてなよ?
 HRMやってみよう。」

ある日そいつに、
黒いバンドを手渡された。

ヒヤッとする。
水にぬらしてある。

そして彼は、
スポーツウォッチみたいなものを取りだした。

「58……62……68……59……」


数字が表示されている。

じっとしていると60ぐらいだけど、
ジャージをはこうと脚を上げ下げするだけで、
数字がちょっと上がる。

靴を履いて階段を降りるだけで、
数字が70を超す。

信号を待つだけで、
また60ぐらいに戻る。

心拍系と連動したスポーツウォッチが、
一瞬一瞬に変わりつづける心拍数を表示している。

こんなに心拍数が変化し続けているなんて、
知らなかった。

人間の体って、
よくできてるなぁ……

そして友人に連れられて、
近くの河川敷に行った。


夕方の淀川。
オレンジ色の景色、
ほほに当たる風、
ススキがそよぐ音。


広がった空を感じながら、歩く。

「ひろさん、心拍数を、114でキープしてみて」

心拍数は90ぐらい。
もっとあげなきゃとスピードを上げると、
一気に125とかになる。
慌ててスピードを落とすと、
今度は100とかになってしまう。難しい!

2キロぐらいのコースの、
折り返し地点を越えても、心拍数が安定しない。
あせればあせるほど、上がったり下がったり。

「あのね、
 歩くペースで調整しようとすると難しいよ、
 呼吸とか、体の内側を感じながら、
 少しずつ安定させていこう。
 大丈夫、歩いているうちにつかめるし、
 そのうち同じ心拍数でも走れるようになったりするよ」

おとなしく一定のペースで、早歩き。
呼吸を意識して深くする。


少しずつ心拍が安定してくる。


これが、けっこう気持ちいい。
それに、早歩きぐらいのペースなのに、体がポカポカする。

足のむくみが取れていくのがわかる。
呼吸を深くしているからか、
気持ちもふわっと広がって、クリアになる。


2キロぐらい歩いて、アパートに戻る。
体が軽い。

「ひろさん、
 心拍数を114でキープする練習をすると、
 スタミナがめちゃくちゃつくよ!」

一息つきながら、友人が教えてくれる。


「心臓ってさ、ポンプみたいに血液を送り出すでしょ?」

彼は手のひらをぎゅっと閉じて小さなこぶしを作り、
また大きく開いて、またぎゅと握る。
心臓の動きを再現しているらしい。

「で、ぎゅっと収縮するときに、
 完全に縮まりきってると、
 すごく効率よく血液を循環させられるわけ。」

「で、トレーニングをしようと走ったりするときに、
 心拍数が上がりすぎると、
 心臓って、早く動くけど、
 完全には縮みきらずに、
 動き続けちゃうの」

今度は、
中途半端に握った手のひらをピクピクと震わせる。

なんだか、ビジュアル的にこわい。
心臓がケイレンしてるみたいじゃん。

「だから、一番心臓がよく働いているのは、
 早く動いてるけど、
 ぎゅっと全部収縮してる時なの。
 ひろさんの場合は、心拍が1分間に114の時ね。」

なんでも、その適切な心拍数は、
数式で割り出せるらしい。

「これを、
 ハートレートモニター(HRM)ランニングっていうんだけど、
 最大心拍数の、60%で走る(歩く)と、
 体のコンディショニングには最適なの。

 循環がよくなって、
 朝にやったらすごく仕事のパフォーマンスが上がるし、
 夜にやったら、よく眠れるよ!」

その心拍計(ハートレートセンサーというらしい)を借りて、
しばらくやってみた。


最初は、なかなか心拍が安定しない。

でも、
「114にするぞ~、144にするぞ~」と
 思いながら歩いてると、

少しずつ、心拍が整ってくる。

そして、何回も歩いているうちに、
心拍が、早く安定するようになる。


それが結構楽しい。

それに、114って、
早歩きぐらいのペース。
息も切れないぐらい。

もう少し走りたい気もするけど、
これぐらいのペースのほうが、
疲れが残らないし、
脚への負担も少ない。
快適だから続けられる。


何よりも、歩くと、すごく調子いい。
体が軽くて、気分が爽快。
確かに集中できる。

1か月後、自分で心拍系を買おうとおもった。

調べてみると……いろいろある。

5000円ぐらいの安いものもあるけど、
ちょっと心配。

ある程度信頼性の高そうなものは、
2万円以上だったりする。

手首だけで計るタイプのものもあれば、
胸にまくセンサーと連動しているものもあった。

さんざんネットで比較検討して、
家電量販店で質問攻めにしていろいろ探してみた。

そしたら、いいのがあった!


黒い文字盤のアナログ針がついてて、
茶色い革のベルト。

ごつごつしてない普通の感じの文字盤。
スーツにも、Tシャツにも、
エスニックな格好にも合いそう。

(Garminというブランドの、
 Vivomove HRというシリーズだった)

これなら、スーツ着て、
お客さまのオフィスにお邪魔するときにも大丈夫だし、
休日にもつけてられる。

だとしたら、
自宅から駅に向かうときとか、
どんな時でも心拍数をモニターしながら歩ける!!

ついでに、
ハートレートモニターランニングについていろいろ調べてみた。


そしたら、余計に混乱した。
いろんな情報が、あふれてる。

僕なりに理解したところだと、
どうやら、最大心拍数の、
60%をキープして走る(あるく)と、
コンディショニングに良くて


70%をキープすると、
体力増進にいいらしい。

さらにアスリートとして頑張るなら、
80%とかでやっていく。


逆に、これ以上心拍数をあげても、
負担が増えるだけでトレーニング効果は、
あまり変わらないらしい。


最大心拍数は、一般的には、
「220-年齢」という数式で割り出すんだけど、

実は、この数式の根拠がかなりテキトウらしい。

科学的なリサーチの結果だと、
「208-0.7×年齢」という数式が、
より正確らしい。

この、年齢というのも、諸説あって、

実年齢でいいという説もあれば、
体内年齢(ちょっといい体重計で測れるもの)をもとに
算出したほうがいいという説もある。


正直、よくわかんない……

「めんどくさい!!
リアルに最大心拍数を計っちゃえ!」

というわけで結局、
先日かった日常遣いの時計に加えて、
胸にまくタイプのセンサーと、
それと連動したスポーツウォッチも買ってしまった。

走ってみた。全力で。

「100メートルダッシュとかでは、
 最大心拍数になる前に息切れしてしまうので、
 全力疾走の前に3キロぐらいは走りましょう」
とのこと。

3キロぐらい近所を走って、
近くの級坂を猛ダッシュ×2回。

死にかけた(笑)。


(実際、リアルに最大心拍数を出すのは、
 高齢の方や、運動の習慣のない人には、
 おすすめできないとのこと。
 心臓や血管に負担がかかって、
 ヘタをすると命にかかわるから。
 それに、振動や、不整脈とかが原因で、
 心拍数が正確に測れないこともある。
 リアルにやりたいなら、
 ちゃんとした機関に行って測るようにしてほしいとのこと)

出てきた最大心拍数は、197。

ちょうど、先ほど紹介した数式を、
体内年齢(実際の年齢より10歳若い!)で算出したのと、大体同じぐらい。

改めて、その数値で、
60%と70%を割り出して……

ついに、準備万端!


できるだけ時間を作って、河川敷を歩き、

日々の仕事中の歩行も、
新しい数値「118」を保つように意識して歩き……


少しずつ変化を実感してるけど、


もう一ついいことがあった。
この、高かった時計、
万歩計と階段昇降計もついてるし、
睡眠のデータも蓄積できる。

そしてスマフォと連動する。

こうやって、
毎日どれぐらい歩いてるかがグラフになると、
1駅歩いて、
1万歩目指そうって思える。
階段も、あと2回登ろうって思える。

その間、ちらちら時計を見て、心拍数を整えられる。

(そして目標を達成すると、
 ゴール達成!と花火の表示が出る。
 これが意外とうれしい。)

睡眠も数値化されて、
どれぐらい深い眠りができてるかがわかるようになると、
運動との関係もわかる。
運動以外にも、
夜の寝る前の習慣とか、
お酒とか、そういういろんな要素と、
睡眠の深さの違いも見えてくる。


そんなこんなで、
今の僕の生活は、時計にべったり。

海外出張のときに、
時計を日本においていったら、
なんだか物足りなくて仕方ないくらい。

朝、起きる。

まずはストレッチと体幹トレーニング。
朝ごはんを食べたら、
午前中いっぱいは、
クリエイティビティが必要な仕事に集中する。

お昼ご飯を食べたら、
20分だけ昼寝。
目が覚めたら単純な雑務をこなす。

15時ごろ、
ジャージに着替えて靴を履く。

歩きながら、腕時計を見る。
僕の心臓の声が、
リアルタイムで表示される。
(筋トレの日もある)


午後にミーティングがあるときは、
あの時計をつけて、駅に向かう。

駅までの15分、
また時計をみながら、
自分の体と対話する。

エスカレーターを我慢して、
階段を上る。

そんなことをしているうちに、
文字盤に、
「目標達成!」と花火があがる。

夜、充実感を感じながら、
布団に入る。

今日も歩いた。
仕事した。
軽やかに、一歩踏み出した。

明日の目覚めもいいだろう。

さて明日は、
どんな一歩を踏み出そう?

□◆──────────────◆□
明日がもっと楽しみなる!
コーチ/ファシリテーター 西田博明

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