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⑥コーチングのジレンマ(受容VS成長)

コーチングや研修の世界で、
僕が前からちょっと気になっていた、パラドックス。

 

受容VS成長のパラドックス。

 

これについて、自分なりに納得できる答えが見えたので、シェア。

(僕は理論が好きなので、最初は理詰めで説明します。
後半にわかりやすく書く努力をするので、読み飛ばしてください)

 

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コーチングでは、
その人が無条件に満たされた存在で、何も足したり引いたりする必要がなくて、
今のあり方で完璧なんだという視点を大切にする。

 

その一方で、変化と成長、目標への前進を、ものすごく大切にする。

 

自分自身にストレッチをかけ、挑戦し、今までとは別のパターンを身につけることを
とても大切にする。

 

これは、変化は不可避であって、
唯一ありえないものが、「不変」だということで、解決できる。

 

人間は、変化し続け、成長し続けている。

 

生きている限り、後ろに行くなんて現象は、ありえない。

 

未来はすごいスピードで現在に向かって流れてきて、
僕達はその流れに流されて過去に流されるなんてことはなく、
いつでもしっかりと、現在にいる。

 

常に前進し続けている。

 

本人がどれだけ、
トラウマの存在を強固なものとして主張しようが、
動きたくなかろうが、後ろ向きになりたかろうが、落ち込もうが、
無理だと思ったり、全く成長できないと感じていても、

 

怖いと言おうが、立ち直れないと言おうが、
人間(或いは生物)の不可避的なさがとして、成長し続けている。

本人がその成長に気づいていても、いなくても、
本人がその成長を歓迎していても、拒絶していても、
なぜかオートマティックで、進化・成長・変容・前進・伸展し続けている。

 

僕達は常に、命ある限り、最後まで、
何かを求め、何かに向かい、何かを祈り、
何かを目指し、何かを夢見、何かを望み、そこに向かって進み続けている。

 

僕たちが人間である限り、呼吸をするかのように、成長し続けている。
そして僕達人間には、前に進み続ける力がある。

 

どのような状態であれ、
僕達には知恵があり、愛があり、目標や勇気や希望がある。
だからこそ、僕達は生きている。

 

コーチである僕が僕達からみて、
相手がどんな「問題を抱えて」いるように見えようが、
どんな「パターンを繰り返して」いるように感じられようが、
どんな「トラウマに苦しんで」いるように分析できようが、

 

そんなものは、その人の命や人生そのものとは、全く関係ない。

 

 

その人には、その「問題」を超えつづけて、今生きいるし、
その問題を超えて進み続ける力がある。

 

その証拠が欲しければ、目の前をみればいい。

 

目の前の相手は、どんな過去があろうが、
どんな神経症に悩まされていようが、
どんな現実に立ち向かっていようが、
生きていて、呼吸をしていて、心臓が動いていて、瞬きをしていて、

 

あなたの前に座って、この問題を何とかしたいと話し、
今の自分を変化させたいと話し、夢を実現したいと話している。

 

その人が生きていること、さらに何かを求めあなたの前に座っていること、
それだけで、もう充分な証拠だ。

 

成長や変容は、僕達、あるいは僕達の生命にとって本質的なものであるといういみで、
コーチである僕達は、常にクライアントさんの成長を大切にする。

 

そして、そのクライアントさんには、自分の力で生存し、成長し続ける力があるから、
僕達はクライアントさんを変化させたり、コントロールしたり、いじくったりする必要はない。

 

他人である僕達には、何も足す必要がなく、何も引く必要がない。
他人であるコーチが関わろうが、関わらなかろうが、
必ず選択を行い、前に進んでしまう存在として、
そしてそれを行う力を持った存在として、クライアントさんを尊重し、信頼しよう。

 

クライアントさんが目の前にいようが、いなかろうが、
自分がコーチング料金もらっていようが、もらわなかろうが、
(生存にとって呼吸と摂食、脈動が大切であるのと同じように)
人間である僕達の本質として、成長と変化の大切さを表現し続けよう。

 

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(さてさて、簡単バージョン・・・・)

僕はずっと、コーチングが変化と成長を重視し、
それにもかかわらず、「クライアントさんを変えようとしない」と言うのが、
不思議だった。

 

相手の成長と変化を願いつつ、「そのまんまでいい」って言うのが、
どういうことかなぁと。

 

で、多分この一見パラドックスに見えるこの2つがどういう意味なのか、
言語化している人は少ないとおもうので、シェア。

 

コーチが成長や挑戦、変化を大切にするのは、
それが人間(生命)の本質だから。

 

僕たちが生きている限り、呼吸をして心臓を動かすように、
僕達は生きている限り、変化し、前進し、成長し続ける。

 

コーチが相手を受容し、あらゆる人が完璧な存在だとみるのは、
僕達人間には、たとえどれほど大きな問題を抱えていようと、
行き続ける力があるし、「問題」を振りきって、その先へと突き進む力があるから。

 

どれだけ目の前の人が、「前に進みたくない」「前に進めない」様に見えても、
それだけの「問題」にもかかわらず、生きている言うこと自体が、
実はその問題は、その人の存在や生命そのものとは無関係だということを教えてくれるから。

 

人は、成長し続ける存在で、いつでも前進し続けている。
コーチからみて、どれだけその人が「ダメダメ」に見えても、
それは(絶対に)コーチの勝手な決め付けで、
その人は成長し、前進し続けている。

 

多分これは、人間の本質で、多分生命の本質でもある。
(スピ系の人なら宇宙の本質とすら言うはず)

 

だから、どれだけ本人や他人であるコーチが、「こいつは成長していない」と思っても、
その人が人間なら(に、人間ですよね)絶対に、
立ち止まっているという状態は、ありえない。

 

そして、僕達人間は、一人ひとりが、
成長し続け、前進し続ける意志と能力を持っている。

 

どんな「問題」があろうと、それを振りきって生きつづけ、
前進する力がある。

 

クライアントさんは、もうそこにいて、呼吸をしているというだけで、
まずは今までどんなことがあろうが、生きているし、破滅もしていないわけで、
だからやっぱり、その人はものすごいし、完璧で、知恵があって、
必ず何かを目指していて、愛を持っていて、生きる力がある。

 

その存在を賛美し、力を信頼するからこそ、僕達は相手を受容する。

 

そして僕達の存在の本質は、成長し変化する力だからこそ、
僕達は変化と成長の大切さを訴え続ける。

 

僕達の仕事は、クライアントさんの、
ダイナミックに変化し、未来をつくり続け、
常に成長し、考え、試行錯誤を繰り返す能力と存在そのものを信頼し、目撃し、

 

その相手の素晴らしさの証人となり、賞賛することで、
相手の生命の旅路を、よりジューシーなものにするお手伝い。
(あまり簡単になっていない。)

 

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それでは、相手はすでに力があり、本質として成長し続けるのに、
なぜコーチと言う仕事が成り立つのか?コーチの存在価値は?

 

・・・ということに関しては、次のブログで。

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