大切な人をなくしたら、
めそめそしてていい。
すぐに立ち直ろうとしなくていい。
自分自身が上機嫌でいたい人たちや、
自分自身の悲しみや、人生にいやおうなしに存在する辛い側面に、
向き合いたくない人たちが、
笑顔であなたの話を遮り、
励ましてくることもあるだろうけど。
悲しくていい。
とめどなく涙が出てていい。
立ち直ったと思ったのに、
また痛みが訪れて、
いつまでも忘れられなくても。
それでいい。
できれば、そんなあなたの話に、
慌てず、焦らず、遮らず、
「そっかそっか」って、そばにいてくれる人のところで、
どっぷり、悲しめばいい。
そのうち、涙の後に、
あるいは涙の合間に、
朝日や、
誰かの笑い声や、
樹を登るアリや、
紅茶の香りに、
美しさを感じたら、
あなたの心が、
少しずつ、呼吸をはじめている証拠だから、
安心して、
また一泣きすればいい。
「あなた」を失ったからこそ味わえる、
その美しい光景を、
「あなた」と共にできない悲しさを、
また泣けばいい。