夏がまだ頑張っていて、でも窓の外では、秋虫も鳴いています。
皆さんは、どんな週末だったでしょうか。
今日は、9月11日。 震災から半年、
そして同時多発テロから、10年ですね。
僕にとっては、今までとこれからに思いをはせる一日でした。
2001年、僕は高校生でした。
留学から帰ってきて、大阪府高槻市の高校に通い、
夏休みの宿題を片付け、新しいクラスメートと、体育祭の準備をしていました。
あれから10年、今も心の中に鮮明に刻み込まれている、
忘れられない光景があります。
テレビの向こうで、すこし土のついた服を着て、
高らかに笑っている、アフガニスタンの少女の映像です。
その映像と、レポーターの話が、僕を今も、突き動かしています。
* * * *
テレビを見ていた僕は、留学関のノルウェーから帰ったばかりでした。
「若者に異文化体験をさせ、
文化を越えた相互理解と、相互依存を広めることで、 世界を平和にする。」
そんなことを掲げる、AFSという団体のプログラムでした。
* * * *
その留学で僕は、初恋を経験しました。
マリアナと言うすこし年上の女性で。
美しく、思いやりにあふれた女性でした。
クロアチアからの難民、20歳ぐらいの人でした。
母国では高校にいけなかったので、一緒に避難してきた親戚と一緒に、
高校生として看護を学んでいました。
彼女が居る授業が楽しみになってきて、
すれ違うだけで心がうきうきして、
気がついたら、いつも彼女のことを考えていました。
彼女が誰か別の人といると、居てもたってもいられなくなる。
もう彼女に家に遊びに行く前日なんて、眠れっこない。
そして結局、「好きです」の一言も言えずに、思いっきり凹んで帰ってきた(笑)
そんな恋の思い出で、胸が一杯でした。
* * * *
そしてテレビの向こう、口を大きく開けて笑う女の子は、
彼女にそっくりでした。
まだ4歳ぐらいだったと思います。
すこしウェーブのかかった、柔らかそうな金色の髪で、
真っ蒼な眼をしていました。
柔らかそうなほっぺ、ちょこんと上を向いた鼻。
ルネサンスの絵画に出てくる、天使を連想させるような、愛らしい女の子でした。
マリアナにそっくりな女の子をみながら。
僕は思わず、胸をきゅんとさせていました。
ああ、マリアナが小さかった頃は、こんな愛らしい女の子だったんだなぁ、と。
そして無邪気そうに笑いつづける彼女について、
レポーターが信じられないことを言いました。
その衝撃が、10年間僕を突き動かし、今の僕を創りあげています。
* * * *
・・・それまで僕は、留学したところで世界は変わらないと思っていました。
AFSの、「相互理解と相互依存で世界を平和にするという」理念を
美しい理論だとは認めつつ、
正直、そんなのはただの理想論だと思っていました。
留学前の研修中も、留学中も、帰ってからも、
やっぱりそんなことが可能だとは信じられませんでした。
確かに留学すれば成長するだろう。世界中に友達ができるだろう。
だけど、それだけで、世界なんて変わりっこない。
世界が抱えている問題は大きすぎて難しすぎるし、
悪い奴らだって一杯居る。
そもそも自分にも、大嫌いな奴はいる。
いくら何でも、高校生を留学させるだけで、
何かが変わることなんて、ない。そう思っていました。
だけど、そうじゃなかったんです。
あれから僕はビジョンを与えられ、
生き方が変わり、行動が変わり、
引きおこすこと、できることが変わったんです。
* * * *
アフガニスタンの街、瓦礫を背にして、彼女は、ただけらけらと笑っていました。
そして、キャスターがこう言いました。
「この女の子、一見楽しそうに笑っていますよね。
だけど、本当は彼女は、楽しくて笑っているんじゃないんです。
その日の朝、彼女の家にミサイルが落ちてきて、
お父さんもお母さんも、兄弟も、
家族全員が吹き飛ばされてしまいました。
そして彼女は気が狂ってしまって、それからずっと、笑い続けているんです」
* * * *
僕は、どうしても、そんな現実が許せなかった。
マリアナにそっくりな女の子が発狂したり、
子どもを持つ母親が瓦礫の前で泣きじゃくったり、
僕の大切な人たちが、殺されるなんて嫌だったし、
僕の大切な仲間が、ミサイルを撃つよう命令されるなんて、
あるいは僕の友達が、自分のフィアンセを失うなんて、
どうしても受け入れられなかった。
そして今、911から10年後、
コミュニケーション/メンタルコーチングのプロとして、
国連や国際機関で働く人たちが、
よりモチベーション高く、スムーズにプロジェクトを進めていく支援をさせてもらっています。
僕は得意/不得意の差が激しいからか、
自分にできることを見つけるまでは、
すこし時間がかかりました。
くじけそうになったときも、自分を責めたときもありました。
だけどそれでも、あのときの思いを忘れることができなかったし、
あのときの願いを、諦めずにいて良かったと思います。
どんな時だって世界平和を思い続けて、10年。
あらゆる人との出会い、あらゆる努力や学び、
失敗と、達成、
恋や、失恋や、趣味や、勉強や、昼寝や、ボランティアや、
旅行や、読書や、おしゃべりや、転職や、喧嘩や、買い物や・・・
あらゆるものが、世界平和を核に集まって、
今の僕を創りあげ、 そして微力ながら、
それでも自信とやりがいを持って、
世界平和のために、動かせてもらっている。
やり方が分からなくても、はるかに遠い夢でも、
想い続ければ、叶う。
今、そんなことを実感しています。
* * * *
そして僕は、あなたの思いを応援したい。
あなたと一緒に、未来を創っていきたい。
時には、大きな壁にぶつかるかも知れない。
時には傷つくかも知れないし、無力感に打ちのめされる時があるかもしれない。
自分や人を、許せない時だってあるだろう。
それでも僕は、あなたと共に、未来へと進みたい。
思いの力を信じ、僕たち自身の力を信じ、
仲間とつながりながら、具体的な行動を取りながら、
共に、新しい未来を創り続けていきたい。
僕は、あなたと共に未来を創りあげる、コーチです。
* * * *
僕と共に歩いてくれているあなたへ、
感謝をこめて。
これからも共に、歩いていきましょう。
僕はあなたのビジョンが実現すると、確信しています。
そしてそれを全力でサポートします。
そしてまだ見ぬあなたへ。
僕のまだ知らないところで、世界のために働くあなたへ。
僕はあなたを、必ず見つけ出します。
だからどうか、あなたの夢を、大切に運びつづけてください。
何があっても、あなたの想いを裏切らないで下さい。
心許せる人にあなたの夢を語り、
小さなことでもいいから、あなたの思いに即した行動をしてください。
そうすれば、僕は必ず、あなたを見つけ出します。
それとも、あなたの思いが、僕を引き寄せてくれるでしょう。
どこにいても、何をしていても、あなたを応援し続けています。
あなたは、1人じゃない。
愛と、敬意と、決意をこめて。
2011年9月11日
西田博明