チェンジザドリームシンポジウム の発祥、
エクアドル先住民、アチュア族のコミュニティへの旅
5日目、ついにアマゾンへ。
(旅行記の始まりは、こちら )
ついに、熱帯雨林へ。
■飛行場
昨夜の間に分けておいた
「セスナ機に積んで、アマゾンへ持っていくもの」
「こちらに残しておくもの」
残しておくものは、そのままバスの中に鍵をかけて保管、
持って行くものは、バックパック1つ。
いくらかの着替え、虫除け、日焼け止め、筆記用具、水。。。
着替えは綿製品ではなく、吸水・速乾性の着替え。
先発隊の僕は、バスに乗って飛行場へ。
後発隊はホテルに残ったり、見送りに着てくれたり。
アマゾンに入っていく飛行機は、6人乗り。
それが2台ある。
パチャママアライアンス の協力などにより、
これもアチュア族によって運営されているらしい。
セスナ機、いや~、シンプルだった。
なんというか・・・大型のタクシーに羽がついてる感じ。
ものすごく小さい。
体重を量って、荷物の重さも量って、
誰がどの便に乗るかを調整して、乗り込む。
待ち時間が結構長かった。
世間話しながら、搭乗を待つ。
ドライバーのジョニーとは、しばらくお別れ。
■離陸。
飛行機に乗り込んで、ぎっちりシートベルトをつけて、
離陸。
ふわっっと言う感じ。
揺れもなく、かなりエレガントな離陸。
今までの巨大なジェット機の、ゴツンゴツンと、
空気の壁にぶつかり、重力をねじ伏せながら離陸するあの感じに比べると、
ものすごく自然で、優雅。
気持ちいい。
すぐにPUYOの街は遠のいて、下にはジャングルが広がる。
僕たちが滞在する予定のパスターサ川も見える。
時々伐採されているところがあったり、
部族的なコミュニティーがあると思われる広場があったり、
緑の世界。
地平線の向こうまで、ただ緑が見えるだけ。
時々、山とか川があって、視界をさえぎる。
ある意味では変化がなくて、どこで降りるかもわからない。
ちょっとなんだか、うとうとしてくる。
ややナーバスになってた女性陣も、
余裕で楽しんでくつろいでる。
いきなり、「バコン!!」って音がするから、
何かと思ったら運転席の窓が勝手に開いてしまったようで、
風がびゅんびゅん吹き込んでくる。
パイロットが慌てて窓を閉めて、
親指を立てて、いかにも「ほら、問題ない!」ってな感じで、
にやっと笑ってる。
こちらも、親指を立てて、OK!と返答。
そうそう、雲の中に入ったりもしたな。
がたがた揺れて、視界は真っ白。
大昔に見た映画を思い出した。
緑がつづく。
大きな川を横切ったところで、高度を下げ始める。
滑走路は、土。
ただ真っ直ぐにジャングルを切り開いて、
周囲に草を植えて目印にしただけのもの。
うるるん滞在記の世界と、あんまり変わらない。
やってきたんだなぁ。
ぐるっと回って、着陸。
期待していたアクロバットは無し。
ふわっと、優雅に、揺れもほとんど無しで着陸。
一同、拍手したんだけど、パイロットはヘッドホンをしていて聴いてない(笑)
■熱帯雨林のオーラ
飛行機の中、高度を下げ始めた時、すごい事が起こった。
ある一定の高度を超えると、突然気温が上がって、湿度も上がって、
緑のにおいが、流れ込んできた。
それまでは空の乾燥した空気だった。
高度は・・・50~70mくらいかな。
そんな高いところまで、熱帯雨林の息吹が満ちているんだ。
そんな高いところまで、樹々の勢力範囲なんだ。
なんて、懐の深い森なんだ。
熱帯雨林の懐に入る。本当にそんな感じだった。
■飛行場
土だけの飛行場。細長いサッカー場みたいなもんだ。
目印代わりに植えられている、綺麗な黄緑色の草がかわいい。
少し遅れて、2台めも到着。
熱い。日本の夏に近いかもしれない。
だけど樹が生い茂っている分、風が涼しい。
レモネードと、水がふるまわれる。
おいしい。甘さとすっぱさが体にしみる。
器は、アチュア族の手作りの器。土器に近い。
アチュア族のガイドの紹介をしてもらったりして、
救命胴衣を着けて、カヌーに乗る。
■アマゾン。カヌー。
感無量、だった。
カヌーというか、15人のりぐらいの、木で細長く作られたエンジン付のボート。
静かに水を切っていく。
下には、アマゾンの緑色の水。蒸し暑い空気。
絡まりあって、区別のつかない木々、ツタ、葉っぱ。
緑、茶色、土色、深緑。
空。
ただもう、カヌーに乗ってジャングルを見ながら、
動いているだけで、瞑想状態というかなんと言うか。
とにかくぼぉっとして、恍惚としてくる。
ここでは、すべてが絡まりあっていて、繋がっている。
木も動物も、鳥も、水も。
すべてが区別なく溶け合っている。
そりゃあこんな自然の中で暮せば、
「すべては1つだ」という考え方になるよな、
と言うことがよくわかる。
美しく整然としたヨーロッパの針葉樹林とは、全く違う。
あそこは、美や法則、思惟を感じさせる。
熱帯雨林にあるのは、美というよりも、混沌と恍惚。
1時間ぐらい?とにかく意外と長い間、
パスターサ川をさかのぼって、
小さな支流に入り、カパウィロッジに着く。
■カパウィロッジ
カパウィロッジは、アチュア族によって運営されているエコロッジ。
水、電気(太陽光)などすべて自給自足にできるだけ近くされている。
カヌーで到着したら、
このロッジの運営責任者、アントニオが挨拶をしてくれる。
鳥の羽をつかった、美しい鉢巻のような装飾を額に巻いている。
彼は美しかった。
深い声、静かな瞳。
柔らかく脱力し、ただあるがままにそこにある身体。
優しく、強く、筆舌に尽くしがたい美しさを持った背中だった。
その後姿を見てるだけで、なんだか感動してしまう。
こんな人が、いるんだと。
船着場から整備された歩道を歩いてジャングルを通り抜け、
カパウィロッジの中心部に来る。
伝統的な茅葺?のような建物に入る前に、
ウェルカム・ドリンクをもらう。
ツリートマトをベースにした、発泡性のジュース。
自然発酵で作ったものらしく、微量なアルコールを含んでいるらしい。
ものすごくおいしかった。いくらでも飲めそうなくらい。
結局このジュースは、この時だけしか飲めなかったんだけど、
複雑な味で、どんな味だったかよく覚えてないんだけど、
色々とおいしいフルーツジュースに恵まれたこの旅の中でも、
一番おいしかった。
その後カパウィロッジの歴史や施設の説明を受け、
部屋・・・というか、ロッジに行く。
なんというか・・・
ここは男とじゃなくて、新婚旅行で泊まるべきだろう、と言う感じの、
とても素敵な部屋だった。
蚊帳つき。
このあたりには、蚊を追い払う植物が植えられていて、
蚊もいない。ものすごく快適。
詳しくは、カパウィの写真をご覧下さい。
■ジャングルウォーク
ジャングルウォークにも行った。
アチュア人ガイド、ギドとセレスティーノのガイド付き。
どんどん歩いていく。
そしてまた、彼らの歩く姿が素敵なんだ。
本当に、なんだか素敵。
よく言われているように、
気温の高い熱帯雨林は有機物の分解も早く、
実は極端に栄養を持った土壌が薄い。
「緑の砂漠」なんていわれるらしい。
そして木々は太陽を求めて競い合うように伸びる。
一度樹冠ができてしまうと、下草以外は太陽を受けることができず、
生育する事ができない。
そういう大きな樹があって、下草しかない場所、
高い木がなくて、色々な種類の草や木が生えているところ。
明るさも、空気も、雰囲気も、全然ちがう。
ものすごく変化の大きい森だった。
見たものを羅列。
【聖なる樹】
とても大きな木。ケイポックの木とのこと(英語?)。
ここで、アチュア族は、精霊にあう儀式なんかをしたりするらしい。
1人で、この木と対峙して、教えを請う。
動物の精霊と出くわすことも有るらしい。
映画「アバター」を見た人たちは、
まさにこんな感じ!と喜んでいる。
彼らは、僕達よりも長く、長く生きている。
【ツタ】
ジャングルでは、生物量(バイオマス)の7割がツタ植物らしい。
本当に、すべてが絡まりあって、どの葉がどの樹あるいはツタのものかわからない。
「絞め殺しの木」的なツタ。
【レモンツリーの蟻】
レモンの木についている、小さな蟻。
まず指をなめてぬらして、その蟻を触ると、
蟻が指につかまってしまう。
それを食べる。すっぱい。
酸性。僕が連想したのは、酢。
疲れてフラフラだったのに、
これを食べたとたんに元気になった人が1人。
僕達19人は二つに分かれて歩いたんだけど、
先着の僕たちがほとんどの蟻を食べてしまって、
「みんなたべちゃったな~!!」とか言われる。
ガイドのセレスティーノ、ご満悦。
【アルータンの話】
神とか、精霊とか言う意味だろう。
聖なる樹にも、アルータンがいる。
木々が倒れたところは、アルータンが通った。と言うらしい。
(おそらく風?局所的にばこっと倒れているところがある)
そうすることで、光をさえぎっている樹がなくなって、
光が差し込み、小さな植物たちが生長するから。
ガイドのギドは、
「私たちは、儀式を通してアルータンとであった。
これは今の若い人たちが、聖書を通して神と出会うことと一緒。」
と言っている。
なんとコメントしていいのか。複雑な気分。
【他にも】
色々な怪しい虫
気根を伸ばす木々
様々な鳥、なき交わしている。
いろんな実。
足跡、
トゲ、
沼、水草、湖、
巨大な危ない蟻。コンガという、いかにも強そうな奴。
かの有名なハキリアリ。彼らは葉っぱを巣に持ち帰って、そこに菌類を栽培する。
ああ、湖のなかに半分沈んだ丸太の上を歩いたりしたな。楽しかった。
混沌とした、絡まりあった樹々の中。
湿度も高く、皮膚と空気の境目もあやふやになる。
迷いない足取りのアチュア人の2人。
カパウィに戻り、食事(絶品)をして、寝る。
だって明日は、朝の3時30分起床。
日本じゃ寝る時間じゃないか(笑)。
結構毎日が濃くて、日記をしっかりつけるのはギブアップ。
いつの間にやら、何が起こったかをカンタンに書くだけにしている。
(だって日記も色々有りすぎて、書いてたら時間が足りない)