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卒業、透明な圧力、正しさの恐怖

ちょっと季節はずれだけど、「卒業」を題材に、いろいろと考えさせられる記事があったのでシェア。

 
まずは、震災の年に卒業する(卒業式をできなかった)学生への祝辞。

大学を、「満期除籍」になった、高橋源一郎からの個人的な祝辞。
・・・ぐっときた。重みと、やさしさと、知恵に満ちた言葉。

 

Togetter 高橋源一郎 祝辞
http://togetter.com/li/114128

 

ほんの一部抜粋:
「どうして、あなたたちは、今日、卒業式もないのに、
少し着飾って、学校に集まったのでしょう。
あなたたちの中には、少なからず疑問が渦巻いています。
その疑問に答えることが、あなたたちの教師として、わたしにできる最後の役割です。」

 

「いま『正しさ』への同調圧力が、かつてないほど大きくなっています。」

 

「『正しさ』の中身は変わります。けれど、「正しさ」のあり方に、変わりはありません。』」

 

「気をつけてください。『不正』への抵抗は、じつは簡単です。
けれど、『正しさ』に抵抗することは、ひどく難しいのです。」

 

卒業って、大人として、社会の一員になることへの、
お祝いであり、お葬式でもあるかもしれない。

 

今までの場所を卒業した人は、
さらに大きなシステム/社会の中に、放り込まれる。

そしてそのシステムは、多くの場合、恫喝ではない形で、
僕たちを巧妙に動かす。

 

そんなことに関して、
とっても興味深くて、不気味な映像と、
それについての、これまたおしろい考察が、こちら。

 

炎上したブレンディのCMを冷静に分析する
http://mistclast.hatenablog.com/entry/2015/10/03/163446

 

とってもおもしろいよ。
論評が、的確だし、
そしてユーモアもあっておもしろい。

 

筆者の呼びかけどおり、ぜひ映像を見てから読んでください~
あとは、記事の下の長めの追記と、
引用されている読者のコメントも興味深い。

 

・・・

そうだよなぁ、
CMとして成功、失敗、という話以前に、
このCMを出すことにした経営陣が、
疑問も持たず、これが感動として伝わるんだと思ってOKしちゃってたなら、
あるいは経営陣の立場で、美しい話だと感動しちゃったんだとしたら、

 

もう完全に、「正しさ」に取り込まれて、
他者の姿も、自分自身の姿も、
そしてお互いの関係も、
見えなくなっている。

 

自分自身の、自分に都合の良い、正しさしか見えなくなっている。
もしも、お金や権力を握っている、社会のトップ層みたいな人に、

 

もしもそういう人たちが多いとしたら・・・
それは、とっても怖いなぁ。

 

そして、その「正しさ」の圧力に抵抗するためには・・・?

 

最初にシェアした、高橋源一郎の記事が、
ヒントになるかもしれません。

 

おそらく僕たちは、
卒業する年代であろうが、そうでなかろうが、
いま、これからの世界に向けて、
切実な問を投げかけられていると思う。

 

これから、この世界をどうするのか。
僕たちはこの世界の中で、

 

今までの生きかたが機能しないこの時代の中で、
どう生きていくのか。
どのような世界を作っていくのか。

写真は、Sho Hashimoto氏によるFlickr写真。

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